前回記事で移転先のBloggerサイトの器が出来上がりましたので、そこへ移転元のMediumの記事を移していかなければいけません。

手動エクスポート・インポート

こういう場合、エクスポート・インポート機能を利用するのが一番簡単なのですが、今回はそれが使えませんでした。Mediumにエクスポート機能がないわけではありません。Setting画面のaccountという項目の中に「Download your information」というのがあるので、そこの「Download .zip」というボタンをクリックすると次の画面が開きますので、その画面で「Export」ボタンをクリックします。するとエクスポートファイルへのリンクが記載されたメールが、登録してあるメールアドレスに届きます。



これでエクスポートファイルは入手できるのですが、残念ながら、MediumのエクスポートファイルはHTML形式なのに対し、移転先のBloggerがインポートできるのはXML形式なので、直接読み込むことができません。裏技として、MediumからエクスポートしたものをいったんWordPressにインポートし、WordPressからエクスポートしたものをBloggerにインポートするという方法があるそうなのですが、このためにわざわざWordPressのサイトを立ち上げるというのも、かなり面倒です。しかもMediumのエクスポートはパブリケーション別になっていないので、各新サイトへの振り分けは手作業になります。それにインポート・エクスポートを使っても、おそらく細かいレイアウトの崩れなどは手作業で修正しないといけなくなりそうです。そんなこんなを考えると、最初から手作業で記事をひとつひとつコピー&ペーストして移していくのが一番確実という結論になりました。『日本の漢詩文』などは記事が184本もあったため、まるで苦行のように無心でコピーとペーストを繰り返したのでした。

近年、データポータビリティということがユーザーの権利として注目されていますが、それこそ「ブログポータビリティ権」が確立されて、各プラットフォームのインポート・エクスポートの規格が統一されることを激しく望みます。

リダイレクト設定

通常、サイトを移転する際には、旧サイト側に301リダイレクトを設定して、旧サイトへのアクセスを自動的に新サイトへ転送するようにします。この301リダイレクトを設定することで、サイトが移転したということをGoogleの検索エンジンに伝え、旧サイトで獲得したページランク(Googleの検索エンジンがWebページの重要度をはかる指標)を新サイトに引き継ぐことができます。逆にリダイレクトの設定をしないと、新サイトが旧サイトのコピーサイトとみなされ、Google検索から無視されることになりかねません。

301リダイレクトの設定をするには、旧サイトのサーバーのルートディレクトリに.htaccessファイルを置いて、その中にリダイレクトの内容を記載しなければいけません。ところが、今回は移転元がMediumですので、サーバーにファイルを置くことはできません。また、.htaccessファイルを使用できない環境の場合の代替手段として、HTMLソースの<head>内にmeta refreshタグを記述する方法もありますが、MediumではHTMLもいじれないので、この方法も使えません。

ただ、幸いなことに、『日本の漢詩文』『汎兮堂詩稿』『汎兮堂Health』『電脳電網総研』の4つのサイト(Mediumパブリケーション)には独自ドメインを設定してあります。そこで、これらのパブリケーションの独自ドメイン設定を解除した上で、新たに用意したレンタルサーバーにその独自ドメインを割り当て、そのサーバーに.htaccessファイルを置くことにしました。こうすれば旧サイトのURLへのアクセスは新サイトへと転送されることになります。

この方法をとるためには、旧サイトに使用していた独自ドメインを今後も使用し続けないといけませんが、どのみち各ドメインとも次の契約更新は11月頃なので、それまでは追加料金は発生しません。新たにレンタルサーバーを契約しないといけないのは痛い出費ですが、この際、仕方がありません。また、独自ドメインを設定していなかった『汎兮堂叢話』にはこの方法は使えないため、リダイレクト設定はあきらめるしかありません。

さて、上述のとおり、今回のリダイレクト設定のためには、まずMediumのパブリケーションの独自ドメイン設定解除をおこなわないといけませんが、それは次回の記事で。