すでにご覧いただいておわかりのことかと思いますが、当サイトではGoogle AdSenseの広告を掲載しています。

言うまでもなく、Google AdSenseの広告は掲載サイトの内容や閲覧者の閲覧履歴などから自動的に「最適化」されたものが表示されるので、広告の選択に僕の意思は全く介在していません。自分が全く関知しない内容が自分のサイトの一部に表示されるというのは、よく考えると不気味なことではありますが、天下のGoogleがやっていることなので、表示される広告は最低限のチェックをクリアしたものに限られるはずだと何となく信じて、あまり気にしてはいませんでした。


しかし、最近、自分のサイトを確認する際に、胡散臭さがにじみ出るAdSense広告を目にすることが多くなりました。気になって、そういう胡散臭い広告を出している広告主のことを調べてみると、見た目だけでなく実際に胡散臭い商売をしているらしいことがわかりました。そんな連中の片棒を担がされるのは誰でもけったくそが悪いものです。何より、胡散臭い広告が表示されていると、サイト自体のイメージダウンにつながり閲覧者離れの原因となってしまいます。


この問題を解決するには、胡散臭い広告をだしている特定の広告主をブロックできる機能が必要ですが、一応、Google AdSenseにはその機能が備わっています。さすがGoogleと言いそうになりますが、そもそもGoogleがきちんと広告主の審査をして怪しい広告主を完全に排除すれば済む話なので、ユーザーにこのような機能を提供しなければならないこと自体、褒められた話ではありません。


URLを指定して広告主をブロック

ブロック機能の使い方は簡単です。Google AdSenseの設定ページで、「ブランド保護」→「コンテンツ」→「ブロックのコントロール」→「広告主のURLを管理」を選択すれば、設定画面を開けます。



開いた設定画面で検索ボックスにURLを入力して検索すると、ポップアップが開き、該当するURLが表示されます。ステータスが「許可する」になっているので、ここをクリックして「ブロック済み」に変更すればブロック完了です。これにより、そのURLへ誘導する広告がサイトに表示されなくなります。


なお、ブロックできるURLは最大500までです。・・・500で足りるのか?


配信されている広告の一覧から選んでブロックする

上で述べたブロック方法は、広告主のURLがわからないと使えません。URLを確認するために広告をクリックしてしまうと、AdSenseの規約に違反してしまいます(自サイトに表示された広告を自分でクリックしてクリック数を増やすことは禁じられています)。


したがってURLがわからない場合には、配信されている広告の一覧の中から探してブロックするしかありません。


この場合も、ブロックの方法自体は簡単です。「ブランド保護」→「コンテンツ」→「ブロックのコントロール」→「広告レビューセンター」で、現在配信されている広告の一覧が表示されます。広告画像を見ながら目当ての怪しい広告を見つけ、ブロックマークをクリックするだけです。


なにぶん広告の数が多いので、全部を見て回るのは大変だという場合は、検索ボックスにキーワードを入力して絞り込むこともできます。


ブロックしたい特定の広告があるわけではないが、怪しい広告が表示されていないかチェックして、そういう広告が見つかればブロックしたいという場合にも、同様の方法でブロックできます。その際、効率よく怪しい広告を見つけるコツとしては、検索ボックスを使って外国語の広告に絞り込む方法があります。外国語の広告がすべて怪しい広告ではありませんし、日本語の広告にも怪しい広告はありますが、傾向としてはやはり外国語の広告に怪しい広告が多いのが実態だからです。


検索ボックス内をクリックすると検索の種類が一覧で表示されるので、その中から「言語」を選択 ⇒ 言語の一覧から日本語以外をすべて選択することで、外国語の広告だけが表示されますので、その中から怪しい広告を見つけてブロックしていくといいでしょう。



とりあえず、「開く」とか「続く」とかいうボタンが表示されている広告は片っ端からブロックしたほうがいいと思います(※個人の見解です)。ひどいのは「く」が平仮名ではなくかっこの「<」になってるやつとかありますからね。そんなの見るからに怪しいんだからGoogleが審査でちゃんと排除してくれよ。


また、Google広告ポリシーに違反していることが明らかな広告については、ブロックするだけでなく違反広告として報告することもできます。ブロックは「自分のサイトには表示したくない(気に入らない)」というだけで出来ますが、報告はあくまで広告がポリシーに違反している場合だけに出来ることですので、濫用しないように注意しましょう。


Googleは何をしているのか

個人ユーザーにこんな面倒な作業をやらせて、Googleは何をしているんだ、と思う人は多いでしょうが、一応、Google自身も不適切な広告主の排除は進めているそうです。2023年に55億件以上の広告をブロック/削除し、1270万件の広告主アカウントを停止したとのことです(”Our 2023 Ads Safety Report”)ので、やる気はあるのだと思います。ただ、有害広告のほうも手を変え品を変え名を変えてやって来るので、Googleが独力でそれらを完全に排除するのは難しいのでしょう。それが現状である以上、Googleが排除できていない有害広告は個々のサイト運営者が自力でブロックしていくしかありません。また違反広告の報告によってGoogleによる有害広告排除に協力することも重要でしょう。


とはいえ、有害広告を排除する責任と義務は、一義的にはGoogleにあります。その一部をユーザーに肩代わりさせているような現状はやはりおかしいと言わざるを得ません。サイトのイメージ管理の点から、ユーザーが広告の表示・非表示を選択できる機能は当然必要ですが、有害広告の排除をその機能に担わせるのは筋違いで、有害広告についてはその前の段階でGoogle自身がきちんと排除すべきです。それができないとなればAdSenseへの信頼性は失われ、ユーザーは離れていくでしょう。サイト運営者にとってマネタイズの方法はAdSenseだけではないのです。