キャノンのプリンタで電源が入らない現象が多数発生
先日、職場で使用しているキャノンの複合機でトラブルがあったのですが、同じようなトラブルが多数発生しているらしいので、参考までに、その経緯と解決方法についてまとめておきます。
トラブルの内容
機種
Canon MAXIFY MB5030
普段の使用状況
複合機としてプリンタ、スキャナ、FAXとして使用。PC等とのやり取りのためWifiでLANに接続。普段は電源は入れっぱなしでオフにすることはない。
トラブルの発生
6月2日午前、PCからパワポのスライドを印刷していたところ、重度の紙詰まりが発生。タッチパネル部分に「紙を取り除いて再起動するように」というエラーメッセージが出たので、指示に従い、詰まっている紙をすべて取り除き、いったん電源をオフにしてから、少しおいて、電源をオンにした。ところが、起動してタッチパネルに「MAXIFY」と表示され、内部でインクカートリッジが動いているような音がしたかと思うと、まもなく電源ランプもタッチパネルの表示も消えて電源が落ちてしまう。数秒すると、勝手に電源が再びオンになり、以後、同じ挙動をエンドレスに繰り返し続ける。そこで、電源ボタンだけでなく、コンセントから抜いてみたが、結果は同じで、再度コンセントを差し込むと、ただちに上記の挙動を再開し、繰り返し続けた。
コールセンターの回答と対処方法
もはや自力での復旧は不可能と判断し、コールセンターに電話するも全くつながらない。何度もかけ直した末、ようやくつながり、経緯と使用環境を説明すると、「6月1日以降、複数の機種で同じように電源が入らないというトラブルの報告が多数寄せられている。原因は不明だが、共通しているのは有線・無線LANに接続して使用していること」という回答があり、以下の対処方法を指示された。
- Wifiに接続しているかぎり電源は正常に入らないので、プリンタが接続しているWifiのルーターの電源をオフにする
- Wifiから遮断されたことでプリンタの電源が正常にオンにできるようになる
- 電源が入ったら、タッチパネルの操作で設定画面を開き、無線LANをオフにする
- Wifiルーターの電源をオンにする
- プリンタの無線LAN機能をオンにして再びWifiに接続すると、トラブルが再発する可能性があるので、PCとプリンタの間はとりあえずUSBケーブルを用いて接続する
重度の紙詰まりのせいで内部のセンサーか何かが故障したことが原因だと思っていたので、「Wifiから遮断すれば解決する」と聞いても半信半疑だったが、指示されたとおりにやってみると、正常に起動し、FAXのテスト受信も問題なくおこなわれた。PCとの間をつなぐUSBケーブルは邪魔だが、やむをえない。
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要するに今回のトラブルは、直前に起こった紙詰まりとは関係なく、この時に6月1日以降はじめて電源を入れ直したために発生したものということになります。もし、6月1日に電源を入れ直していれば、その時に同様のトラブルが発生したはずです。
その後の情報
コールセンターの担当者によると、キャノンのホームページにも、このトラブルについての報告を掲載しているとのことだったので、電話を切った後、キャノンのホームページ内を探してみると、確かに報告がありました。
【インクジェットプリンター】プリンターの電源を入れてもすぐに電源が落ちてしまう現象について
コールセンターに電話する前に、もちろんネットで検索もかけて解決方法を探りましたが、その時点では上記のページを見つけることはできませんでした。もっとも、その時点では上記のページに対処方法は記載されていなかったので、見つけられたとしても結局コールセンターに頼ることになったであろうと思われます。
現在では、上記ページの情報が追加され、対処方法も記載されています。それによると、プリンタのIPアドレスを使用されていないものに変更するか、もしくはアクセスポイントモードを用いるかすれば、LAN接続しても、トラブルは再発しないそうです。
原因については、現在(2022年6月5日)なお調査中とのことです。6月1日から急に発生しはじめた点も不気味です。早く原因が明らかになることを願います。
追記(2022.07.03)
6月7日以降、上記トラブル現象は解消されたとのことです。キャノンの公式発表は上記のリンク先をご覧ください。
該当の複合機には、Google Cloud Printサービスに対応するためGoogleのサーバーに自動的にアクセスする機能が搭載されているそうですが、その機能がトラブルの原因とのことです。この機能により複合機は起動時にGoogleサーバーに自動的にアクセスし、サーバーから複合機にデータが送信されるようになっているらしいのですが、5月30日以降、その送られてくるデータの量が大きくなり、複合機側がそのデータを処理できなくなって電源が落ちてしまっていたということです。
6月7日に、当該の送信データ量が処理可能なサイズに縮小されたことで、問題なく起動できるようになり、トラブル発生原因は解消されたそうです。
ちなみに、問題のGoogle Cloud Printサービスは2020年11月にすでに終了しているので、それに対応するための複合機の機能もすでに不要のはずですが、その不要な機能が残っていて余計な作業を続けていたことがトラブルを引き起こしたということになります。そもそもサービスが終了してから1年半も経過しているのに、なぜ急に大量のデータが送信されるようになったのかが不思議です。
ともあれ、トラブルの原因が解消したので、ユーザー側は特に対処は不要で、6月7日以降、無線LAN機能をオンにすれば、トラブル発生以前と同じようにWifiに接続して使用することができます。ただ、キャノンは今回のトラブル原因となった現象の制御を修正したファームウェアを公開し、ファームウェアの更新を推奨していますので、更新しておいたほうがいいでしょう。更新手順は上記リンク先に説明があります。
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