だいぶ以前になりますが、人工知能(深層学習)を用いて白黒写真をカラー写真に着色するソフトが開発されたという記事を読んで、これは試してみたいと思い、記事をEvernoteに放り込んでおいたんですが、すっかり忘れてしまっていました。今日、急に思い出し、「今年やり忘れたことは今年のうちに」ということで、試してみることにしました。


パソコンにインストールして使用するためには、動作環境としてLinuxディストリビューションの「Ubuntu 16.04 LTS」が必要になります。素人にはこの環境を構築するのが一仕事なのでハードルが高いです。さいわい、インストールしなくても、公式サイトに行けば、Web上でこのソフトを使用することができます。


公式サイト:http://iizuka.cs.tsukuba.ac.jp/projects/colorization/web/


今回は、この公式サイトでソフトを試してみました。


最初に試したのは、先日投稿した「熱帯の森」 in 神戸どうぶつ王国で紹介したベニコンゴウインコの写真です。もとのカラー写真をレタッチソフトで白黒にしたものを素材に使います。


公式サイト上で、この白黒写真ファイルを選択し、「色付け!」ボタンをクリックします。


しばらく待つと、自動的にカラー写真化が完了しました。元の写真と、ソフトで白黒から再カラー化した写真をくらべてみると・・・

左:元のカラー写真 右:再カラー化した写真


これは・・・正直、駄目でしたね。ベニコンゴウインコが全然ベニじゃないです。これでは誰も見に来ないでしょう。


まあ、うまくいかない写真もあるでしょう。気を取り直して別の写真で試してみることにしました。次は三ケ日みかんの写真です。これもレタッチソフトで白黒にした上で、ソフトを使用します。


さて、三ケ日みかんのおいしそうな黄色が再現されるでしょうか。元の写真と比較してみましょう。

左:元のカラー写真 右:再カラー化した写真


ベニコンゴウインコよりはかなりましです。赤より黄色のほうが得意なんでしょうか。ただ、それでも元々の色と比べると赤味が弱く、青みの残った実のように見えます。


どうも、このソフトは茶色が得意なような気がしてきました。となれば、「熱帯の森」 in 神戸どうぶつ王国に掲載したナマケモノの出番です。まずは白黒にします。


さあ、これはどうなるでしょうか。

ナマケモノ11比較.png

左:元のカラー写真 右:再カラー化した写真


やっぱり茶色は得意なようです・・・と思ったら、なぜか体の一部が緑になっていて、まるで体毛に苔が生えたように見えます。実際、野生のナマケモノは体に苔が生えることがよくあるので、このほうがリアルなナマケモノっぽいと言えなくもないですが、別に人工知能がそこまで考えたわけではないでしょう。


いろいろ試してみて、元の写真より発色が弱く、ややくすんだ色合いになる傾向があることがわかりました。今のレベルでも十分すごいと思いますが、今後、もっとたくさんの例を学習させれば精度が上がっていくのかもしれませんね。期待しています。


追記

公式サイトが移転していたので、URL記載を変更しました。(2021-10-23)